恋した道化師ノ行方

独り言と落書きを気の向くままに更新。近頃絶賛更新停滞中。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
ボカロ海外組の、BIG-ALです。シリアスです。

オチ放棄、キャラ崩壊/偽物あり。
文字通りのゴミです。
それでも読んで下さるという方は追記よりどうぞ。

床に沈んでいく心地がした。
ただするすると沈んでいくらしい。暖かくもなく冷たくもない床が私の足下を呑み込んでいく。私は嗚呼、と思いながらそれを眺めている。なめらかな床に足がなじんでいくのを見ている。不思議なことに、泥にはまるなり何なりに似た感覚はない。というか麻痺しているかのように全ての刺激がうつろである。柔らかい床には感触すらない。

いつからだろうか。ほんの数秒前にふと沈みはじめた気もすれば、こんな時間が数十分ゆるゆると過ぎていってしまっている気もする。そのまま沈んでいってしまえば、その下にはアパート下の住民さんがいるはずなのだが、おそらくそういう「下」には行き着かないのではないかという思いはあった。しかし、思考は浮かぶ端からくらりと灰色に消える。気怠い煙にまかれて面倒なごちゃごちゃはすうっと見えなくなる。

銀色が少しくもったシンクにかけていた手はいつの間にか離してしまっていた。私はただ沈んでいる。するすると相対的に上がってくる床面はもう首元まで来ていた。
口まで浸食されてしまったら、息ができなくなるのだろうか。
嗚呼でも、それでもかまわない。
自分がこの夢だかなんだかわからない映像の前で床に咽頭をつまらせて死ぬのだとすれば、それはなんて私にふさわしい滑稽な最期なのだろう、と思った。とくりと脈打った自分の心臓にさえ違和感を感じた。

かた、と物音がしたと思うと、向こうにアルが立っている。ああ、彼だ。彼が私の英雄だ。彼は悠とこちらを見て一瞬、はっとしたように駆け寄ってきた。
近付かれると、私にはアルの足しか見えない。蹴られるわけでもないのにひゅっと胃が縮んだ心地がした私は、とんと瞼を閉じた。こないで、と思うわけでもないが、怖い。彼から逃れようと閉じた視界は黒をもたらした。
闇が世界を覆うと、私の身体はいよいよおかしな事態にあることが思い知らされた。手も腕も足も脚も動かなくなっていた。まるで雲のような縄でしばられてしまったかのように、なんの緩衝もなく私は身動きが取れなくなっていた。

嗚呼。
くっと喉元に込み上げた感情はなんだろう。

ふと、あたたかみが降ってくる。

アルは、私が懸命に時間をかけて(あるいはかけたように思える)沈みこんだ床面から、なんの躊躇も無しにすくいあげてしまった。必死らしい彼の手が勢いつけてずるずると私を引き寄せる。ぬぷぬぷと摩擦で熱くなった床が波打つ。私は生まれ落ちるような心地でアルにたぐり寄せられていた。空気に触れた肌が、あつい?あたたかい?いたい?きもちよい?そんな感覚に呑まれて、私はいっそう生きた心地がした。

私はアルに手をのばす。

目を開けると私は床の上で、アルがその私の上に被さっていた。くたりと力が抜けているらしい彼は重たかった。しかし、居心地よい類の落ち着いた重みだ。そして、じわりとぬくい。
アル。彼を確認するために出した声はかすれていた。
答えるように彼は強く抱き込んだ。息がつまる。息苦しさが涙を誘うようだった。

「マスター」
「ごめんね、アル」

ありがとう、と言えば、アルは少しふるえて、すんと鼻を鳴らした。


(この人はまた、沈むのだろうか。)




何度すくわれても、足りない。
なんかこんなのばかりでごめんなさい。ああ、痛い痛い。
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://silverdream966.blog105.fc2.com/tb.php/714-53e952f6

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。