恋した道化師ノ行方

独り言と落書きを気の向くままに更新。近頃絶賛更新停滞中。

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オ/ー/デ/ュ/ボ/ンの、城山です。

オチ放棄、キャラ崩壊/偽物あり。
文字通りのゴミです。
それでも読んで下さるという方は追記よりどうぞ。


人は死んだらどこへ行くんでしょうね、と言うと、城山さんはついとパソコンから目を離した。デスクトップ上をぼんやりと見つめ、二三回瞬きをした後、私を向いた。

「いやに唐突だな」
「はい、唐突に思いましたもので」

私がやんわりと笑う、と、城山さんは眉間にしわを寄せる。気に食わなそうに口端をきゅっと引いた。私はその表情を見ながら、この顔が好きだ、と思う。寄ったしわの谷間に愛を感じる。

「何かあったのか」
「いいえ、何もありません。ただ、思っただけです」
「そうか」

城山さんは、むっとしながらパソコンに目を移した。白い光が顔を照らしている。薄暗い部屋で、城山さんだけが白く映っている。城山さんはマウスのスクロールをガリガリ転がしながら、気難しそうな顔をして液晶画面を追いかけていた。見惚れてしまう。
私は足にかけていた毛布のしわを伸ばして少しだけ時間をつぶし、毛玉を見つけたのでそれを摘み取ると毛布をぐしゃぐしゃした。ああ、なんだか。不思議な気分だ。毛布に空気を含ませて、ふわりと、足にかけなおした。
息をついて首を倒して上を向くと、頭の中にうずまくミルク色のもやもやが、暗い天井に映って見えた。あれは、何なのだろう。死の色か、それとも。私は拡散されるもやを見るともなしに見ながら、城山さんの眉間のしわを思ってほんわりと口を開けた。

「城山さん、少しだけ、首を絞めてくれませんか」
「はあ?」
「お願いしますよ」

かくっ、と首を元の角度に戻して、城山さんを見る。何言ってんだ、と半ば呆れたような表情が返ってきた。お仕事忙しいわけではないんですよね、じゃあ、と。どうしてそうなる、とため息混じりに返された。そんな気分なんです、というと今度はため息だけ返ってきた。

折れたのは城山さんだった。長い長いため息を吐きながらパソコンの前の席を立ち、まっすぐに伸ばした私の足をまたいだ。膝立ちになった城山さんとの、身長差が愛しい。城山さんを見上げる視線の延長に、白いもやもやが見えた。それが綺麗なベールのように見えるので可笑しい。
城山さんが両手を伸ばす。暖かい大きい手が、指が、ぬくりと首を覆う。わずかに、こめられる力。

何ともない、と思ったのは最初だけで、すぐに苦しいと気付いた。血液が溜まる、感覚を知る。ひゅ、と喉が鳴った。息はできるのだ、声も、たぶん出せる(城山さん、と呟いた自分の声は遠くで聞こえた)。ただ意識だけが一歩引いたようだった。思いの外、鼓動はときんときんと規則正しいまま刻まれていた。しかし確実に頭の中がじっとりと重たくなり、どろりと目の前が見えなくなる。
本当に死んでしまう、と思った。私は知らず城山さんの腕をつかんでいた。うまく力が入らない手で触れる、感覚がない。真っ暗になった視界が突然真っ白になった。
瞬間、心臓がどきどきと脈打って全身に酸素を届け始めた。開ける視界。目がちかちかした。城山さんが私の首から手を離していた。まだ、首元に感覚を残している跡がじんわりと熱を持って襲った。不意に、ぽろりと涙がこぼれる。
げほ、げほっ。おえっ。
顔を背けてむせ返る間にも、くっきりと跡に付いた城山さんの手が首を絞めた感覚を残していた。大丈夫か、と声がした。大丈夫ですと、出そうとした声が出なかったので片手を上げて応える。城山さんはその手を取り握って、毛布へ伏せさせた。大きくて、暖かい、

城山さんは再度心配そうな言葉をかけながら、もう片方の手を私の肩に置いた。ずしりと重たい感覚に私はのけぞった。急に城山さんが恐くなった(自分で首を絞めろと頼んでおいて)、のだが、はっとして見れば城山さんは困ったような顔をして私をのぞきこんでいた。

「おいおい、そんなに嫌がることないだろ」
「・・・・・・し、死ぬかと思いましたっ」
「それはそうだ」

首を絞めれば人は死ぬだろう、と城山さんは当たり前のことを当たり前のように言ってたしなめた。優しい手が涙をぬぐった。
はあ、と私は気が抜けた息を吐いた。人間は脆いものですね、と呟けば、城山さんは怪訝そうな顔をしてまた眉間にしわを寄せる。

城山さんは私の名前を呼んで、呼んだだけで、何かを追い払うように手をひらひらさせると、またパソコンの相手に戻ってしまった。
早く寝ろよ、と言葉を落として。




懐かしいものを発掘してしまいましたので、そのままペースト。
城山さんといえば眉間のしわ、あるいはため息という考えが頭のどこかにあります。
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