恋した道化師ノ行方

独り言と落書きを気の向くままに更新。近頃絶賛更新停滞中。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
ナ/ル/トの、飛段です。

オチ放棄、キャラ崩壊/偽物あり。
文字通りのゴミです。
それでも読んで下さるという方は追記よりどうぞ。


夏の盛りを過ぎた外の空気が肌寒くなってきたので、きっと部屋の中の温度は心地よい具合にぬるく感じられるようになっているだろうと期待して居間に踏み入れば、もれなくひやりとした冷気に裏切られた。季節を一つ飛び越してしまったような錯覚を起こす澄み切った空気が室内に充満していた。寒いったらない。
冷房がきんきんに効いているその部屋には一見誰もいないように見えた。なんでこんな、もったいない。私はリモコンを探して目を走らせ、テーブルの上にあるリモコンを見つけると同時に、その向こうのソファで横になっている人を見つける。
おそろいの暁の黒いマントにくるまっているのは飛段のようだ。色素の薄い髪の毛がソファの上で少し乱れていた。しかしなるほど、この部屋の異常な室温も私の期待を裏切ったのも彼だというわけだ。

「飛段、超寒いよ寝てるの死んでるの」

どうせ聞いていないだろうからと、投げやりな言葉を投げかけながらリモコンを手に入れて、ピ、と冷房を切る。ゴォン、と名残惜しそうに音を立てて機動をやめた冷房は、いまだにジィィと小さな音を出しているように聞こえた。しかしそんな音が静かになった部屋で耳鳴りのように響いていると、飛段の間の抜けた寝息も聞こえてくるのだ。

「飛段ちゃん、さすがにこの室温でマント一枚は風邪引くと思うよ」

善意から起こしてあげようと、ぐらぐらと腕から揺らしてやると、マントまでキンと凍ったように冷えていた。あのまま冷房の温度を下げていったら、長い睫まできれいに氷付けになっていたのだろうかと思った。
(それでも飛段は生きているのだろうか)
(っつーかそんな殺人冷房なんかあるのかなあ)

ぐらぐら。揺さぶる手をやうやうに休めると、飛段は眉間にしわを寄せて呻いた。まるで朝が来たのを拒む子供のように身体にぎゅっと力を入れて縮こまる。狭いソファからは落ちてしまいそうだ。ううう、と唸りながらもそもそ動き、居場所が落ち着くとまた静かになった。
飛段。
その様子を微笑ましく観察させてもらいながら、そっと名前を呼ぶ。恐ろしく冷たい死人のような頬を突いてみる。すると、ふと緊張が解けた目元から、とろりと紅色の瞳がのぞいた。いかにも寝起きであるらしい不機嫌そうに腫れぼったくなった瞼の奥から、ぼんやりと紅色の瞳がこちらを見据える。
思わずその紅に引き込まれかけた拍子に、わしっとひどく遠慮のない所作で髪をつかまれた。突然の予想外の飛段の行動と、その力に反射という名の抵抗をも忘れる。そして同じく配慮なしに乱暴に引き寄せられた私は、前のめりになりながら、不覚にも、怖いと頭のどこかで思ってしまった(よりによって飛段相手にだ)。ソファの角に足を取られて、飛段の上に飛び込む。

「痛たたたっ」

眠りを妨げられたのがそんなにも気に障ったのだろうか。こんな乱暴をされたことは今までに無かったので軽く衝撃を受けて茫然とする。髪の毛を引っ張られているのは痛いし、精神的にも(だって相手は飛段だ)強い屈辱を感じるわけで。私は飛段の胸の上に手をついて這いつくばる姿勢で、思考を滞らせた。
深い呼吸に合わせてわずかに上下する冷たくなった胸板と、かすかに聴こえる気がしなくもない鼓動に、どきどきしてるんだか何だかよくわからない自分。冷静になろうと思えば思うほど冷静から遠ざかっていく心地がするのは妙だった。

不意にむくりと上半身を持ち上げた飛段が髪を掴む手をゆるめたと思うと、私の首元にかかった髪を払い、ずいとその端正なお顔を近づけた。そして首を噛んだ。お前は吸血鬼か。
甘噛むように強弱をつけて歯を立てられていると、なにやら妖しい気分になってくる気がして落ち着けず、しかもその相手が飛段だということに憤りを感じ、かといって何か行動をすることもできなかった。頭の中では、きっと彼は怒っているのでも何でもなく、ただこうしてじゃれているのだという結論に至った。ならばいっそ、何の反応も返さないでいてやろうと思い歯をぎしりと食いしばって居ると、読み通り飛段は飽きたように口を離す。
ようやっと解放されるかと力を抜いたその刹那に、首筋にひとつ息を感じたと思うと、痕をねとりと冷たい舌がなめていった。
ぞくりとしてたまらず、ひ、とうわずった声がでてしまった。しまった、と思った。
そのとき、くくっ、とこらえるような笑い声が耳に届いた。

「……飛段」
「っゲハハァ、なにマジになってんのお前、おもしれえー!」
「死ね」

クナイを突き立てると、飛段は馬鹿みたいな声をだして飛び起きた。肩に突き刺さったクナイを見て、信じられないといった表情で私を見た。


(「痛ェ!そこまでやるかよ普通!?」)
(「……ンだよ、悪かったよ。泣くこたァねーだろ」)




ヒロインはきっと、忍者じゃないです。
生身の人間だから、舌とか気兼ねせずに書いていいよね!
飛段だから、多少のバイオレンスは許されるよね!
なんか、やりたいことだけやった感じですみません。
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://silverdream966.blog105.fc2.com/tb.php/710-4edad268

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。