恋した道化師ノ行方

独り言と落書きを気の向くままに更新。近頃絶賛更新停滞中。

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ジョジョ三部より花京院。

ひたすらヒロインが語ります。
捏造、偽物注意。
最後に少しだけ本人登場。
タイトルの通りゴミですので、それでも読んで下さるという方は下へどうぞ。
花京院典明、とその貴族のような名前を口の中で転がした。
呼びづらい名前だ。偉そうでむかつくし、何よりもまずカ行が多い。
実際声に出して呼ぶ場合は"花京院くん"になる。……カ行が余計に増える。呼びづらい。
とは言っても、実際に呼ぶ機会などはほとんどないのだ。
顔を合わせることはあっても、言葉を交わしたことは近しい記憶にはない。
まともに会話をしたのは春、新学期が始まるときに、たまたま隣の席であった花京院くんに一日シャーペンを貸してあげたときくらいだろう。
それ以降は軽い挨拶だとか、「先生が呼んでたよ」「そう、ありがとう」くらいの会話しかしていない。
それが何をもって今更名前が呼びにくいだとか、前髪がむかつくだとか言うのかというと、
それは、大概の物語の始まりがそうであるように、恋をしたからだった。

ぶっちゃけ自分でも理解が付いていっていない。
いつ、どこで好きになったかは覚えていない。
気付いたら好きになっていた、のだ、ほんとに、気付かない間に。

花京院くんは席で言えば右斜め前に座っていた。
一番窓際の席だ。暖房の壊れたボロ校舎の冬もぬくぬく過ごせるという、最も人気が高い席だった。
よく退屈そうに窓の外に顔を向けながら、あくびをかみ殺しているのを目撃する。
まさかその姿に心を奪われたわけではなかろうが、花京院くんと聞くと真っ先にその光景が思い浮かぶ。
お偉いさんが決めた規定通り、東向きに付けられた窓際で噂通り温かいらしい太陽光線を浴びながらむかつく前髪を揺らす花京院くん。
ああ、天然の光に透かされてハチミツ色になった前髪のきれいなこと!
ああ、一度でいいから手を触れてみたい!

これで花京院くんが万人に対して開かれた心を持っていたら、もしかしたらすんなりと距離を縮めることもできただろう。
それができないから過去に何人もの可愛い女の子が泣いてきたわけで、花京院くんは今では"難攻不落の男"のレッテルまで背負っているのだ。主に女子の間で。
一般から見ればつまり、男女関わらず友達がいないということだった。
物腰柔らかそうに見える花京院くんは、実はそれが武器であるらしい。
どこかの本で、敬語は相手と距離を置く手段にもなると謳っていたが、それの類だろうか。
確かに花京院くんは必要以上の他人の介入を許していないように見える。
友達相手にしろ、教師相手にしろ。いやに大人びていて、彼はもう私たちと同じラインには立っていないのではないかとさえ思う。

まぁ早い話が、彼に恋なんかするだけ無駄なのだ。無駄無駄。
もし私に親友がいたとして、彼女が花京院くんに恋をしたとしても、私は止める。やめときなって。
この場合のやめときなっていう台詞は、言われた側にしたらすごくムカつく台詞だということは知ってるけど、あえて言うね。
想うだけで叶う見込みのない片想いほどつまらないものはないのだ。
いや、つまるつまらないの問題ではない。今が一番楽しい、高校生生活の有意義無意味を決する重要な選択なのだ。
潔く諦めるのが利口というもの。そして新しい恋に生きるのよユメ。これは一時の気の迷いだったのだと、すっきりさっぱり忘れて………。



「雨宮さん」

「わ、」

「消しゴム落ちてたんだけど、君の?」

「え、あ、はい、じゃなくてうん。ああぁりがとう」


どもりにどもりを重ねた私を不審な目で見ることもなく、花京院くんはにっこりと、微笑んだ。
窓からこぼれる逆光もたすけて、花京院くんはさながら天使だった。リアルに思った。
ふわり、と長い前髪が揺れる。猫背ぎみに席についている私から見て、花京院くんはえらく背が高かった。
はい、と差し出された消しゴムの下に、両手で器を作る。
時は止まる。

かじかんだ指先に触れる彼。

暖房の壊れた教室で、私は一人、ストーブのように熱を発していた。
花京院くんは何事もなかったかのように、太陽光線のベールをくぐって私の右斜め前の自席についた。
私は呼吸の仕方を忘れたかのように、不自然に荒くなる息をのみこんだ。
両手で作った器の上にちょんと座る消しゴムにさえ興奮した。


やはり私は、この呼びづらい名前の持ち主を愛してやまないのだ。
と、結論はそこにあった。




花きょん転校前。
入学当初はモテていたに違いない。

文字書きリハビリ。
らぶらぶいちゃいちゃするのが書きたいです。
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